日本植物病理学会報
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疫病菌と他微生物との相互作用に関する研究
(3) Phytophthora capsici Leon.の菌糸に対する細菌の随伴現象
正子 朔細川 孝太桂 〓一
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1973 年 39 巻 5 号 p. 381-388

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抄録

疫病に侵された組織における菌交替現象(遷移)を研究するためにその前提となる細菌の随伴について検討を加えた。
1. P. capsiciと各種細菌との随伴性をオートミール,ブイヨン,ツァペック各寒天培地上で検討したところ一般に運動性細菌が随伴を示した。
2. 菌および細菌の発育に適する温度(28-32C)において随伴が顕著である。
3. 培地のpHは中性に近いほど随伴に対し顕著に効果をあらわし,菌糸周縁の水はこの随伴には必要であるが,運動性でない細菌にとってはその意義を認めなかった。
4. 随伴性の細菌はP. capsiciの菌糸に対して走性を有しており,これは菌糸細胞膜を通して浸出する物質に対する走化性と思われる。
5. 随伴は寒天のような固溶体の中でも起こるので,寄主体内でこの現象の起こり得ることを示唆している。
6. 細菌はつねに疫病菌の生長よりやや遅れて随伴する。
7. 以上の諸事実より疫病菌が寄主組織内に侵入後細菌の侵入,進展について推察を試みた。

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