日本植物病理学会報
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腐敗性ならびに腐生性Pseudomonas属細菌のペクチン質分解酵素
大内 昭富永 時任
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1973 年 39 巻 5 号 p. 417-424

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抄録

腐敗病に罹病した宿主個体で観察される,ペクチン質成分の特異的消失を解明するために,Ps. marginalisのペクチン質分解酵素を検索した。N-6122およびN-6301株の培養液より調整した粗酵素液は,いずれも顕著なPATE活性を示し,わずかなPE活性も検出された。N-6301株では,さらにPTE活性と痕跡程度のPG活性が見出され,菌株間における酵素系の差異が明らかとなった。PATEおよびPTEはいずれも8.0∼8.3に至適pHをもつが,基質特異性,反応速度および塩類の影響などにおいて,両者の性質は明らかに異なっていた。
N-6122株の粗酵素液はダイコンの根部組織を崩壊するが,その物理的性質がPATEによく一致するため,該酵素による組織の崩壊が推測された。
腐生性細菌,Ps. fluorescens 2株の粗酵素液では,PE, PG活性は全く検出されず,トランスエリミナーゼ活性も,きわめて微弱であった。このことから,本細菌は病原細菌に比べペクチン質分解酵素の諸活性がきわめて低いと判断された。

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