1974 年 40 巻 4 号 p. 354-361
Isoxazole ringの4または5位に置換された化合物を供試して,キュウリ苗のつる割病(F. oxysporum f. cucumerinum),苗立枯病(C. rolfsii, P. aphanidermatum)に対する効果,およびジャガイモ煎汁寒天培地上,土壌中での抗菌活性を比較検討した。
温室試験-Isoxazole ringの5位にalkyl基または水素を導入した化合物は,aryl基を導入した化合物より有効で,その効力順位はmethyl>ethyl>propyl>butyl>hydrogenとなったが,さらに4位にnitro基,methyl基,Cl, Brなどを導入すると効果が劣った。
室内試験-Isoxazole ringの5位にalkyl基を導入した化合物のジャガイモ煎汁寒天培地上でのR. solani, C. rolfsii, P. debaryanumに対する抗菌活性は,alkyl基の炭素数に比例して活性が高くなる傾向にあったが,F. oxysporumに対してはそのような傾向は認められなかった。一方,土壌中でのC. rolfsiiに対する抗菌活性はalkyl基の炭素数に比例せず,ハイメキサゾール(3-hydroxy-5-methylisoxazole)がもっとも有効であった。これに対して,isoxazole ringの5位をphenyl基で置換した場合はジャガイモ煎汁寒天培地上での抗菌活性は非常に高いが,それを土壌に施用するとその抗菌活性が著しく低下する。
このようにして,ハイメキサゾールを供試化合物中でもっとも有効な化合物として選び出し,温室内で実用効果を検討した。