日本植物病理学会報
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キュウリ・モザイク・ウイルス感染ササゲ葉に形成された局部病斑の表面構造に関する2・3の観察
加藤 盛
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1978 年 44 巻 4 号 p. 420-425

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抄録

CMVを接種したササゲ葉に形成される局部病斑の表面構造を走査型電子顕微鏡によって観察した。葉の表面にカーボランダムを用いて摩擦接種した場合,葉表面には大小の傷が形成される。局部病斑は病斑のほぼ中央に位置する1∼2の付傷細胞とそれをとりまく20∼30個の非付傷細胞群から構成されており,病斑内のすべての細胞は萎縮し,病斑部全体は周囲の組織から明らかに区別出来るように凹陥している。付傷細胞内の付傷部分は瘤状に隆起している場合が多く,傷口の大多数は直径30∼150nm程度であった。大きな傷口をもつ細胞を中心とした局部病斑は本観察では全く見当らず,このような細胞ではたとえウイルスが侵入しても,感染は成立しないものと思われる。以上のことから,ウイルスは直径30∼150nm程度の微細な傷口をもつ細胞に侵入した場合,その細胞で増殖し,合成された感染性物質が更に周囲の細胞に移行,それらの細胞群が萎縮し,陥没して一つの局部病斑が形成されるものと考えられる。

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