日本植物病理学会報
Online ISSN : 1882-0484
Print ISSN : 0031-9473
クワ科木本植物の枝木部における抗菌性物質の生成と蓄積
白田 昭高橋 幸吉
著者情報
ジャーナル フリー

45 巻 (1979) 2 号 p. 156-161

詳細
PDFをダウンロード (1791K) 発行機関連絡先
抄録

1. クワを含むクワ科木本植物4属7種の枝を3月に中間伐採し,3ヵ月後に幹から出ている枝の木部内の変化を調べた。その結果,すべての供試枝の木部は切口付近に淡褐色あるいは褐色を呈し,それぞれのアセトン抽出液はBipolaris leersiaeに対し健全木部ではみられない抗菌活性を示した。
2. クワ枝を4月に中間伐採し,クワ芽枯病菌Fusarium solani f. sp. moriの分生胞子を切口に塗布接種し,7月に木部内における菌糸侵入と抗菌性物質の生成を調べた。切口付近および側枝がでた部位の2か所に淡褐変がみられ,それらのアセトン抽出液は抗菌活性を示した。なお,その活性は病斑拡大の停止がみられた側枝部において特に強かった。また,菌糸侵入は側枝部付近まで認められたが,抗菌性物質の生成の方が菌糸侵入よりも約1cmほど先行していた。
3. クワ科7種の枝木部を1cmの長さに切断して20Cの湿室に保ったところ,それぞれの木部は,F. solani f. sp. moriの接種の有無にかかわらず健全木部にはほとんどみられない抗菌性物質を生成した。
4. クワ科4属7種の枝木部に生成される抗菌性物質をシリカゲル薄層クロマトを用い,エチルエーテル展開により分離し,Bipolaris leersiaeで生物検定した。その結果,抗菌性物質はそれぞれ1∼3個に分かれ,その個数およびRf値は同属間ではほぼ同じであった。

著者関連情報
© 日本植物病理学会
前の記事 次の記事

閲覧履歴
feedback
Top