日本植物病理学会報
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タバコ・モザイク・ウイルスに全身感染した葉の紫外線照射による壊死斑の誘導
大橋 祐子下村 徹
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45 巻 (1979) 2 号 p. 247-254

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抄録

1. XanthiタバコまたはSamsunタバコにTMVを接種して2-3日後葉を切りとり,葉の表面に紫外線(UV)を照射して低照度(200lux以下)の照明下に置くと,1日後にこの葉のUV照射面に局部病斑類似の壊死斑が形成された。N. glutinosa, Samsun NNタバコおよびXanthi-ncタバコなどTMVの局部感染宿主も,接種後高温(30C)に置くと全身感染して局部病斑は形成されないが,このような葉に接種2日後UVを照射して低照度の照明下に置くと壊死斑が形成された。全身感染宿主でも局部感染宿主でも,UV照射後葉を高照度(6,000lux)の照明下に置くと壊死斑は形成されなかった。キュウリ・モザイク・ウイルス(CMV)とペチュニア,ポテト・ウイルスXとN. glutinosaの組み合わせ(いずれも全身感染する)でもUV照射によって壊死斑が形成された。
2. TMVを接種したのち23-30Cに2-3日置いたXanthiタバコまたはSamsunタバコ,30Cに1-2日置いたN. glutinosaまたはXanthi-ncタバコの切りとり葉に,30C下10時間以上の暗処理を加えると壊死斑が形成された。CMVとN. glutinosaの組み合わせ(全身感染する)でもこの処理によって壊死斑が形成された。
3. UV照射および暗処理がTMVに全身感染したN. glutinosaの葉の核蛋白への3H-ウリジン14C-ロイシンのとり込みに与える影響を調べた。これらの処理はいずれもTMV画分での核酸と蛋白のとり込みをあまり阻害せず,細胞質リボソームでのそれを強く阻害した。この傾向は壊死斑形成能をもつアクチノマイシンDを全身感染したN. glutinosaの葉に処理した場合と同じであった。これらの処理による壊死斑形成の機構について考察した。

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