日本植物病理学会報
Online ISSN : 1882-0484
Print ISSN : 0031-9473
ISSN-L : 0031-9473
チモシー斑点病菌Cladosporium phleiが生産するフレイクロームの宿主葉中インベルターゼに対する作用
美濃 羊輔井戸沼 忠博酒井 隆太郎
著者情報
ジャーナル フリー

1979 年 45 巻 4 号 p. 463-467

詳細
抄録

チモシー斑点病菌Cladosporium phleiの菌体から単離したフレイクロームの物理化学的および生理学的性質を調べた。自然光下に変化させたフレイクロームと病斑から抽出した色素との類似性から,病斑に存在する色素は,フレイクロームの光変化物質であると推定した。フレイクロームはチモシー葉から得たSH基を反応に必要とするインベルターゼを阻害したが,SH基を必要としないインベルターゼは阻害しなかった。フレイクロームによるインベルターゼの阻害作用はジチオスレイトールまたはシステインにより部分的に無効化された。光照射(474nm)されたフレイクロームのSHインベルターゼに対する阻害作用は低下した。フレイクロームの毒的作用と病徴発現機構との関連を論じた。

著者関連情報
© 日本植物病理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top