1979 年 45 巻 5 号 p. 625-634
X. citriを接種したナツミカン葉組織では病菌増殖に伴って24∼48時間目から電解質およびアミノ酸の漏出が認められた。主なアミノ酸の種類はプロリン,アンセリン,γ-アミノ酪酸,セリン,アラニン,アスパラギン酸,カルノシンおよびエタノールアミン等で,カルノシンとエタノールアミンは感染組織のみに検出された。抵抗性のカラモンジンでは細菌増殖は低く抑えられたが電解質漏出は起った。Erwinia herbicolaのV2菌株では漏出が特に急激に起ったが,同F2菌株では認められなかった。X. phaseoliでは電解質およびアミノ酸の漏出は起らなかったが,細胞のアミノ酸組成には大きな変化が認められた。X. citriを接種したナツミカン葉の変化はこれらE. herbicola V2菌株とX. phaseoliのほぼ中間的なものであった。