日本植物病理学会報
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ベントナイトの使用による単一アブラムシ中の感染性TMVの検出
由崎 俊道
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1980 年 46 巻 4 号 p. 464-470

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抄録

タバコモザイクウイルス(TMV)に感染した植物あるいは純化TMVを膜ごしに与えたアブラムシにべントナイト懸濁液を加えて磨砕し, Nicotiana glutinosa L.に接種することによって,一頭のアブラムシ体内の感染性TMVを検出することができた。TMV-RNAを与えたアブラムシから,この方法によって感染性のあるTMV-RNAを検出することはできなかった。TMVを獲得させたアブラムシを15%の蔗糖を含む0.02Mの燐酸緩衝液を膜ごしに吸汁させて飼育した場合には,アブラムシ体内の感染性TMVは3あるいは4日後に認められなくなった。アブラムシ体内の感染性TMVの大部分はhoneydew中に放出されるが,口針から蔗糖液あるいは植物のdiskへは放出されなかった。死んだアブラムシ体内のTMV活性は,それらのアブラムシを室温に保つことによって徐々に減退した。このことはアブラムシ体内においてTMVが不活性化されるものと考えられる。

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