日本植物病理学会報
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ダイズベと病菌分生胞子の花器および莢接種による卵胞子固着種子の形成
稲葉 忠興日野 稔彦
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1980 年 46 巻 4 号 p. 533-538

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抄録

ダイズ5品種を用い,ダイズベと病菌の分生胞子懸濁液を花器に(播種30~33日後)または莢に(播種40~43日後)小筆で接種し,いずれも播種67~70日後に収穫した。室温で10日間風乾後,種子を取り出して卵胞子固着種子(卵胞子塊が種子表面に固着している種子)の有無を調査した。花器接種および莢接種のいずれでも,品種間で差はあるが,卵胞子固着種子が認められた。花器・莢いずれの接種でも卵胞子固着種子率は電光奥原早生・奥原早生で高く,白鳥・雷鳥・早生緑で低かった。卵胞子固着種子と密着していた莢の内面にも卵胞子塊が認められた。また,国内各地から集めたダイズ種子について卵胞子固着種子率を調査した。北海道・千葉・静岡・熊本の圃場で収穫され準種子,および北海道・岩手・群馬・埼玉産の市販種子,合計27品種38点のうち, 4品種4点中には卵胞子固着種子は全く含まれていなかったが,その他の23品種34点の卵胞子固着種子率は0.1~23.4〓%であり,とくに電光奥原早生・奥原早生・オリヒメで高かった。北海道から熊本まで,いずれの産地でも卵胞子固着種子が認められ,産地による差は明らかでなかった。

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