日本植物病理学会報
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連作ハウス周辺土壌からのショウガ根茎腐敗病菌Pythium zingiberumの検出
一谷 多喜郎新須 利則
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1981 年 47 巻 2 号 p. 158-165

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抄録
本研究は,連作ハウス周辺土壌中におけるショウガ根茎腐敗病菌P. zingiberumの分布,消長ならびに感染力について調べたものである。
1. 調査ハウスの周辺土中には少なくとも3種のPythiumが生息しており,そのうちP. zingiberumのみがショウガに明らかな病原性を示した。周辺の汚染土からのP. zingiberumの分離率は,四季を通じて平均数パーセントであった。
2. 常発ハウスのビニール外側付近の土壌には本菌が生存しているが,第一次伝染源としての役割は明らかでなかった。
3. ショウガ廃棄物の捨場には本菌が生存しているが,比較的短期間に検出されなくなった。
4. ショウガの洗い水が流入する排水溝には,本菌が長期にわたって生存しており,明らかに感染力を有していることが認められた。
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