日本植物病理学会報
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イネ白葉枯病の病態生理に関する研究
V. 感染イネにおける透過性の変北
河野 吉久渡辺 実細川 大二郎
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47 巻 (1981) 4 号 p. 555-561

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抄録

イネ白葉枯病の発病機構を明らかにする目的で,感受性および抵抗性の感染葉における透過性の変化を電解質および14C-同化産物の漏出量で調査した。
1. 切断葉片実験系では,長さ6mmに切断した葉片を25C, 72時間,約108個/ml濃度の本病細菌浮遊液中で振とうし,蒸留水で洗浄後,さらに葉片を蒸留水中で25C, 4時間振とうして,この漏出液の伝導度を測定した。
2. 葉片を蒸留水中で振とうした対照区と比較して,親和性細菌浮遊液で振とうした感受性葉片からの電解質漏出は2~3.5倍に増大したが,不親和性細菌浮遊液で振とうした抵抗性葉片では1.4倍の増加にとどまった。
3. 加熱死菌(100C, 10分間),細菌浮遊液の遠心上清,またはクロラムフェニコール添加(最終濃度100μg/ml)細菌浮遊液による葉片の振とうでは電解質漏出の増大が認められなかった。これらの結果から,本病細菌の生細菌が透過性の増大を誘起することが推察された。
4. 着生葉実験系では,本病細菌を針束接種後,経時的に電解質と14C-同化産物の漏出量を測定した結果,感受性葉では病徴出現期の直前から急激に透過性が増大したが,抵抗性葉では同時期以後にわずかな増加を示したのみであった。

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