日本植物病理学会報
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ジャガイモ葉巻病診断への酵素結合抗体法の応用
小島 誠滝沢 勤上田 一郎四方 英四郎
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1982 年 48 巻 4 号 p. 458-465

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抄録

酵素結合抗体法(ELISA)により,一般ほ場あるいは温室で育成したジャガイモの茎葉から容易にジャガイモ葉巻ウイルス(PLRV)が検出された。罹病塊茎を植え,生じてくる地上部のPLRV抗原量を経時的に調べた結果,萌芽後展開した葉で最も高く,生育が進むにつれて漸減した。その際,病徴発現以前に抗原の検出が可能であった。一般ほ場から採集してきた葉巻症状株,疑似株,無病徴株103株につきELISAによる診断と病徴の度合との関係を調べたところ,ほぼ一致した。しかし,疑似株,無病徴株から各々3株,1株が陽性と判定された(ほ場における1次感染株と考えられる)。一方,ジャガイモ塊茎,萌芽を用いてのELISAによる診断は非特異反応が高く困難であったが7),それらの汁液を加熱処理(50C, 10分間)することにより低下させることができたので,塊茎等を用いた診断も可能となった。さらに,病葉を小片にしてシリカゲル上で乾燥保存しても十分抗原を検出できることから,抗原の保存,郵送も可能となった。また,ELISAと免疫電顕法(ISEM)につきPLRV抗原検出感度につき比較したところ,ほとんど差がなく,両検定法ともng単位のウイルス抗原を正確に検出できることから,ジャガイモ葉巻病の診断には有用であると考える。

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