日本植物病理学会報
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イネいもち病菌の病原性の変異に関する研究
I. 病原性の異なる2菌株の対峙培養および対峙接種による変異株の生成
生井 恒雄山中 達
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1982 年 48 巻 4 号 p. 466-470

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抄録

イネいもち病菌の病原性の異なる2菌株(レース047と303)を供試し,培地上およびイネ葉上における変異株の生成を試みた。培地上における菌そう接合法,イネ葉上における混合パンチ接種法および対峙パンチ接種法により,両母菌とは異なる病原性を示す変異株が得られた。この変異株には,両母菌が侵害し得ないイネ品種,関東51号やツユアケに対して典型的な罹病型病斑を形成して,新たに病原性を獲得したもの(レース337, 317, 313, 137と037の各菌)と,両母菌の病原性を併せ持ったもの(レース347菌)の2種類が含まれた。また,これらの変異株のうち,レース337菌は培地上およびイネ葉上の両者から得られた。これに対して,両母菌からは病原性変異株の出現は認められなかった。一方,出現した変異株は,PDA培地上で形成される菌そうの色,形状が母菌とは異なり,これらは3種類に分けられた。以上の実験結果から,本実験で得られた変異株は両母菌の菌糸融合の結果生成された可能性が高いと推察された。

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