日本植物病理学会報
Online ISSN : 1882-0484
Print ISSN : 0031-9473
ISSN-L : 0031-9473
フロリジンのリンゴ腐らん病菌による分解産物が病徴発現に関与する可能性について
小金沢 碩城佐久間 勉
著者情報
ジャーナル フリー

1982 年 48 巻 4 号 p. 521-528

詳細
抄録

リンゴ腐らん病菌をリンゴ樹皮煎汁培地で培養後,培養ろ液をエーテル抽出し,このエーテル抽出物をリンゴ樹新梢に吸収させたところ,自然条件下で発病したリンゴ腐らん病に類似のネクロシスを生じた。エーテル抽出物をろ紙クロマトグラフィーまたはカラムクロマトグラフィーにより分画したところ,3画分に毒性が認められた。これらの毒性物質は標品と薄層クロマトグラフィーでの挙動および紫外線吸収スペクトルを比較して,フロレチン酸,p-オキシ安息香酸,プロトカテチュ酸と同定した。これらの物質はリンゴ樹に特異的に含まれているフロリジンが分解されて生ずるものとして知られている。フロリジン分解産物は高濃度でのみ毒性を示し,かつ,供試したリンゴ以外の植物に対しても毒性を示した。

著者関連情報
© 日本植物病理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top