1982 年 48 巻 5 号 p. 613-619
西日本各地から集めたWMV 20分離株について,分離株8 (E)から作製した抗血清を用い,寒天ゲル内二重拡散法および免疫電顕法によって分離株を血清学的性質の異なった2つの系統に分けた。拡血清と反応した系統には,ソラマメ,エンドウに対して全身感染する分離株群と,しない分離株群が認められた。抗血清と反応しなかった系統はソラマメ,エンドウに全身感染した。
香川県西部のウリ類の栽培地帯から時期別にWMV罹病葉を採集し,免疫電顕法でWMV粒子の反応を調べた結果,抗血清と反応するWMV,反応しないWMVの2系統が発生していることが判明した。抗血清と反応したWMVはエンドウ,ソラマメに全身感染せず逆に反応が認められなかったWMVは前述のマメ類に全身感染した。