日本植物病理学会報
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親和性および不親和性組合せでのイネいもち病菌感染葉の電顕観察
II. 抵抗性発現と表皮細胞内容物の顆粒化
古賀 博則堀野 修
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1983 年 49 巻 3 号 p. 322-330

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抄録

イネいもち病菌レースに対する特異的抵抗性発現と密接に関連すると考えられるイネ表皮細胞内の顆粒構造およびその起源を明らかにするために,感染初期の接種葉を電顕観察した。不親和性組合せでは接種後24時間目で,表皮細胞の原形質膜が陥入し,さらにロマゾーム様構造の発達が観察された。接種後48時間目では原形質膜の陥入度は著しく,原形質膜が陥入して生じた球状構造は,原形質膜から遊離しているように見うけられた。またロマゾーム様構造の最外膜がしばしば消失し,内部の小胞が細胞質中に分散していた。ミトコンドリアおよび粗面小胞体の変性は,接種後48時間目に初めて認められた。接種後72時間目では,表皮細胞内に大きさの異なる小胞が多数観察された。一方,親和性組合せでは,上記の微細構造的変化はほとんど認められなかった。以上のことから,本病抵抗性に関連すると考えられる細胞内顆粒の起源は表皮細胞原形質膜およびロマゾーム様構造である可能性が高く,特異的抵抗性には原形質膜が密接に関係していることが推察された。

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