日本植物病理学会報
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三重県香良州町のナシ園におけるチオファネートメチル耐性ナシ黒星病菌出現率の年次変動
石崎 寛河野 満土田 稔海野 昌羽澄 康則加藤 晋朗久能 均
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1983 年 49 巻 3 号 p. 347-351

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抄録

昭和50年にチオファネートメチル耐性ナシ黒星病菌の出現によって大被害をうけた三重県香良洲町川原地区ナシ園における耐性菌の分布状況を,昭和51年から55年まで調査した。100ppm以上のチオファネートメチルに耐性を示す菌の検出率は,5年間を通じて92∼100%であった。これらの耐性菌のうち,1,000ppm以上に耐性を示す菌が常に97∼100%検出され,同剤の使用を中止してもきわめて強い耐性菌が優位を占めていることが明らかになった。一方,過去にベノミル剤およびチオファネートメチル剤を全く散布したことのないナシ樹の耐性菌検出率を昭和52年から55年まで4年間調べたところ,1.01%の耐性菌が得られ,このうち90.63%は1,000ppm以上の濃度に耐性を示す強耐性菌であった。この結果は,自然状態でもすでに耐性菌が低率ながら存在しており,川原地区では昭和50年以前に同剤を大量に連用したために感受性菌が淘汰され,もともと存在していた耐性菌が優位を占めるに至ったものと推定された。

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