日本植物病理学会報
Online ISSN : 1882-0484
Print ISSN : 0031-9473
ISSN-L : 0031-9473
ダイコン葉縁黄化ウイルス-新グループの種子伝染性二本鎖RNAウイルス
夏秋 知英山下 修一土居 養二奥田 誠一寺中 理明
著者情報
ジャーナル フリー

1983 年 49 巻 5 号 p. 593-599

詳細
抄録

ダイコン葉縁黄化ウイルス(RYEV)をCsCl平衡密度勾配遠心分離により純化した。ウイルス粒子はCsCl中で浮遊密度が約1.37g/cm3のところに1本のバンドを形成した。RYEV純化試料は典型的な核タンパクの紫外線吸収を示し,そのAmax/AminとA260/A280の比はそれぞれ約1.10と1.39であった。RYEVはアブラナ科植物に感染する4種のウイルス(turnip crinkle virus, turnip rosette virus,カブモザイクウイルス,キュウリモザイクウイルス)およびRYEVに似た粒子形態と生物学的性状を有する10種の種子伝染性ウイルスと血清反応を示さなかった。RYEVの純化試料からSDS-ポリアクリルアミド電気泳動により分子量約63,000と61,000の2種のタンパクのバンドが得られた。RYEVの核酸は高塩濃度下でRNaseに耐性で,poly (I): poly (C)抗血清と反応することから二本鎖RNAであることが判明した。RYEVの二本鎖RNAはポリアクリルアミド電気泳動で分子量が約1.30, 1.25, 1.21×106の3本のメジャーバンドと,同じ,く1.14, 1.09×106の2本のマイナーバンドに分かれた。RYEVとそれに類似する数種の種子伝染性二本鎖RNAウイルスは新しい植物ウイルスグループを形成するものと考えられた。

著者関連情報
© 日本植物病理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top