日本植物病理学会報
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タバコモザイクウイルスに対する植物培養細胞の抵抗性発現機作 (第2報)
トマトのカルス細胞,プロトプラスト,子葉,リーフディスクおよび本葉におけるTMV抵抗性発現の比較
豊田 秀吉山本 百与平井 篤造
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1983 年 49 巻 5 号 p. 639-646

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抄録

タバコモザイクウイルス(TMV)抵抗性遺伝子Tm-22をもつトマトGCR 267,瑞光(ZK)と罹病性の福寿2号(F2)から,カルス細胞,プロトプラスト,子葉および本葉をとり,それぞれにTMV (OM系)を接種し抵抗性の発現状況を検討した。TMVの定量には免疫電気泳動法を使用した。TMVを強振接種法でカルスに接種し,6日後にTMVを定量したところ,F2のカルスでは顕著なTMV量の増加が認められたが,抵抗性トマトから得たカルスではF2の1/5から1/9に抑えられていた。また強振接種法により分離したカルスをその大きさで類別しTMV量を調べたところ,直径が500μm以上のF2のカルスではTMV量の有意な増高が認められ,それ以下のカルスでは罹病性と抵抗性のカルスの間に差は認められなかった。抵抗性および罹病性トマトのカルスまたは本葉からプロトプラストを調製し,TMVを接種したところ,いずれのプロトプラストでも,48時間後のTMV感染率やTMV量には抵抗性と罹病性の間で差は認められなかった。子葉,本葉および本葉のリーフディスクのTMVの量を比較した場合,抵抗性トマトではTMVの増殖が抑えられていたが,GCR267とZKの間ではTMV量に有意な差は認められなかった。

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