日本植物病理学会報
Online ISSN : 1882-0484
Print ISSN : 0031-9473
ISSN-L : 0031-9473
間接ELISA法によるズッキーニ黄斑モザイクウイルス(ZYMV)の検出
Susamto SOMOWIYARJO佐古 宣道野中 福次
著者情報
ジャーナル フリー

1985 年 51 巻 5 号 p. 569-575

詳細
抄録

本研究では,ELISAの間接法(第一次抗体を処理しない方法)によりZYMVの検出を試みて,用いるコンジュゲートの種類,牛血清アルブミンの処理法ならびに抽出用緩衝液の種類について検討した。その結果,市販のアルカリホスファターゼを標識したアフィニティ精製抗体〔ヤギ抗ウサギIgG (H+L), KPL社)をコンジュゲートとして用いた場合,ヤギ抗ウサギIgG血清(Miles社)を用いて調製したコンジュゲートと比べ,非特異発色が減じて,被試験区のE405の価も高かった。本法での純化ZYMVの検出限界は,二重抗体法のそれ(5∼10ng/ml)に比べて高い,1-5ng/mlであり,罹病葉汁液でも検出限界は二重抗体法より10倍高い106∼107倍希釈であった。したがって,この市販コンジュゲートを用いる間接ELISA法は圃場試料の診断法として有用であると考えられる。一方,パーオキシターゼを標識した同様なコンジュゲートを用いると,ZYMV罹病葉汁液中に含まれる高い同酵素活性が非特異発色を現わすので,このコンジュゲートは純化ZYMVの検出には良いが,汁液中のZYMVの検出には不適であると思われる。

著者関連情報
© 日本植物病理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top