日本植物病理学会報
Online ISSN : 1882-0484
Print ISSN : 0031-9473
ISSN-L : 0031-9473
疫病抵抗性ジャガイモ品種から抽出したDNA塗布による親和性疫病菌接種罹病性品種における過敏感反応の誘導
山本 昌木黒岩 常祥
著者情報
ジャーナル フリー

1986 年 52 巻 1 号 p. 8-14

詳細
抄録

疫病抵抗性ジャガイモ種間雑種グレータ(R1R3R4因子)から抽出した核DNAを,罹病性品種男爵薯(r因子)葉上に塗布後疫病菌レースOを接種したところ,罹病型病斑以外に抵抗性の過敏型病斑の混在を認めた。propidiumiodide (PI)または4'-6-diamidino-phenylindole(DAPI)と結合させた核DNAを罹病性品種葉上に綿楔で塗布後螢光顕微鏡で観察すると,塗布1時間で核内への取り込みが認められたが,葉緑体DNAは塗布2時間後でもこれを確認することができなかった。核DNAを電気泳動して得られた分子量1,750-2,550kdの画分は,過敏型病斑形成を誘導した。このDNA画分を制限酵素EcoRIで処理後SalIで処理した画分は過敏型病斑形成を誘導したが, EcoRI処理後KpnI処理したものでは過敏型病斑形成能は消失した。

著者関連情報
© 日本植物病理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top