1986 年 52 巻 1 号 p. 8-14
疫病抵抗性ジャガイモ種間雑種グレータ(R1R3R4因子)から抽出した核DNAを,罹病性品種男爵薯(r因子)葉上に塗布後疫病菌レースOを接種したところ,罹病型病斑以外に抵抗性の過敏型病斑の混在を認めた。propidiumiodide (PI)または4'-6-diamidino-phenylindole(DAPI)と結合させた核DNAを罹病性品種葉上に綿楔で塗布後螢光顕微鏡で観察すると,塗布1時間で核内への取り込みが認められたが,葉緑体DNAは塗布2時間後でもこれを確認することができなかった。核DNAを電気泳動して得られた分子量1,750-2,550kdの画分は,過敏型病斑形成を誘導した。このDNA画分を制限酵素EcoRIで処理後SalIで処理した画分は過敏型病斑形成を誘導したが, EcoRI処理後KpnI処理したものでは過敏型病斑形成能は消失した。