日本植物病理学会報
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本邦におけるBipolaris zeicolaによるトウモロコシ北方斑点病について
月星 隆雄佐藤 徹君ケ袋 尚志
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1986 年 52 巻 3 号 p. 492-495

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抄録

1981年西原がBipolaris sp. として報告したトウモロコシ北方斑点病菌の同定を行った。本菌の無性世代の形態からB. zeicolaと考えられたため,同菌株をアメリカ合衆国より輸入して,日本分離菌株との比較試験を行った。北海道,青森,栃木および長野の各県で採集した19菌株を供試し,アメリカ輸入菌株との形態比較を行ったところ,分生胞子柄および分生胞子の形,大きさのいずれも一致した。次に,アメリカ輸入菌株との交配試験を行ったところ, 19菌株中11菌株が交配し,子のう胞子を形成した。偽子のう殻,子のうおよび子のう胞子の形態もCochliobolus carbonum(B. zeicolaの有性世代)の原記載に一致した。よって,本菌をBipolaris zeicola (Stout) Shoemaker(有性世代Cochliobolus carbonum Nelson)と同定した。

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