日本植物病理学会報
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Strawberry pseudo mild yellow edge virusの精製と理化学的および血清学的性質
吉川 信幸井上 忠男
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1986 年 52 巻 4 号 p. 643-652

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抄録
Strawberry pseudo mild yellow edge virus (SPMYEV)がイチゴ(品種;宝交早生)から分離された。SPMYEVは汁液伝搬されなかったが,イチゴケナガアブラムシとワタアブラムシによりFragaria属植物に容易に伝搬された。感染葉のdip試料および超薄切片を電顕観察すると,ひも状のウイルス様粒子が検出された。この粒子は健全葉では検出されないことからSPMYEVと考えられた。本ウイルスは,感染アルペンイチゴからショ糖クッション上での分画遠心とショ糖密度勾配遠心,塩化セシウム平衡密度勾配遠心により精製された。精製標品は長さ625nm,巾12nmのひも状ウイルスからなり,最大吸収260mm,最小吸収246nmの核タンパク質特有の紫外線吸収曲線を示し, A260/A280は1.19であった。塩化セシウム中での本ウイルスの浮遊密度は1.32g/cm3であった。本ウイルスの核酸は一本鎖RNAで,その分子量は2.5×106ダルトン,また外被タンパク質は分子量33,500ダルトンの一種類であった。本ウイルスはカーネーション潜在ウイルスと弱い血清関連が認められた。以上の結果から, SPMYEVはCadavirus群に所属する新しいウイルスであると結論された。
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