1988 年 54 巻 2 号 p. 174-182
エンドウ(Pisum sativum L. cv. Alaska)の葉肉細胞由来プロトプラストの分離について,一段法と改良二段法を比較した結果,同程度の収量(葉組織生重19当り1~1.5×107のプロトプラスト数)が得られた。分離に要する時間はPectolyase Y23を処理液に含めることによって通常法による2時間から35分まで短縮された。0.24Mりん酸緩衝液(K2HPO4-KH2PO4)pH 6.3を接種に用いて,クローバ黄斑モザイクウイルス(CYMV)濃度を3μg/mlとし, poly-L-ornithineの存在下(1.0~1.4μg/ml)で最高感染率57%が得られた。CYMV-RNAのプロトブラスト中における複製はノーザンブロット法によって確認された。ゲノムRNAの生成は接種12時間後に見いだされた。polyethylene glycolを用いたCYMV-RNA接種法では生存したプロトプラストの約35%が感染した。