日本植物病理学会報
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ウイルスcDNAから生物活性のあるRNAを転写するベクターの構築
桑田 茂増田 税高浪 洋一
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1988 年 54 巻 4 号 p. 510-515

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抄録

ウイルスcDNAの5'末端から正確に転写を開始する新しい転写ベクター, pUT118を構築した。ウイルスRNAのcDNAを挿入された転写ベクターは, cDNAの直下流, Xba I部位で切断した後, T7 RNAポリメラーゼを用いて試験管内転写を行わせると,全長鎖ウイルスRNAを合成することが可能である。キュウリモザイクウイルスサテライトRNA (Y系統)の完全長cDNAクローンをNsi I部位に挿入したpUT118-Sを実際に試験管内で転写させた結果,生物活性を示す転写サテライトRNAが得られた。しかしながら, pUT118では, Nsi I部位を導入するためにT7プロモーターの塩基配列の一部を改変したので,転写効率は十分でなかった。そこで,転写物の5'末端に2個のGを付加する転写効率の高いベクター, pUT118GGもあわせて構築した。

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