日本植物病理学会報
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エルゴステロール生合成阻害剤(EBI剤)に対するキュウリうどんこ病菌の感受性低下
大塚 範夫宗 和弘天野 徹夫尾嶋 正弘中沢 靖彦山田 芳昭
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1988 年 54 巻 5 号 p. 629-632

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抄録

1983年以来ハウス栽培のキュウリうどんこ病防除にトリアジメホン剤を使用してきたところ,本薬剤に対するうどんこ病菌の感受性低下が認められた。本病に対する数種のEBI剤の防除効果を調べた結果,トリァジメホン剤で防除効果の低下が認められた。EBI剤4薬剤に対する本病菌の感受性値を測定した結果,対照として用いた感受性株S-1, S-2のEC50値は,0.001~0.184ppmの範囲を示したが,効力低下が認められたハウスから採集したN-1菌株では感受性値の低下が認められた。さらに, N-1菌株にトリアジメホン剤を6ヵ月間, 10回にわたって散布して得たN-2菌株では, S-2菌株に比べ,トリアジメホンでは318倍,トリフルミゾールでは67倍,ビテルタノールでは9倍,フェナリモールでは108倍の感受性低下が認められた。

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