日本植物病理学会報
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ポリエチレンイミンを用いたタバコ葉肉プロトプラストのウイルスならびにウイルスRNAによる感染効率の改良
高浪 洋一新田 直人久保 進
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1989 年 55 巻 3 号 p. 324-329

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抄録

タバコ葉肉プロトプラストへのウイルスRNA接種に好適な塩基性ポリマーを探索する過程で,ポリエチレンイミン(PEI)がキュウリモザイクウイルス(CMV)ならびにタバコモザイクウイルス(TMV) RNAの感染効率を著しく高めるとともに,CMVやタバコえそ萎縮ウイルスの接種にもきわめて有効であることを見いだした。RNA接種にはpH 5.0の25mMリン酸緩衝液,ウイルス接種にはpH 5.5の10mMクエン酸緩衝液が適していた。0.2∼0.3μg/mlのTMVあるいはCMV RNAを接種することによって,90%以上の感染率が安定して得られた。接種の際のRNAとPEIの比率は非常に重要であり,接種液中のウイルスRNA濃度を高くしすぎると,感染効率は大幅に低下した。

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