1989 年 55 巻 5 号 p. 671-675
ゼラチン粒子凝集法(PA法)によりニンニク潜在ウイルス(GLV)のネギからの検出を試みた。粒子に感作する抗体の濃度を50μg/mlにすることにより,純化ウイルスに対して明瞭な反応がみられた。感染葉磨砕液を16,100×gで5分間遠心分離し,その上清を用いることにより,ネギからの検出時にみられる非特異反応を感度の低下なしに低減させることができた。ネギの部位別の反応は新しく生長しつつある葉が最も高い検出限界を示した。PA法の検出限界は純化ウイルスに対しては,0.1μg/ml,葉磨砕液では1,600倍であり,生物検定に比べて劣る場合もあったが,ウイルス濃度が比較的高い場合にはPA法の感度は安定していた。GLVを接種したネギおよび圃場から採集したネギからの検出を行ったところ,免疫電顕法で感染が確認されたすべての株からGLVを検出できた。