日本植物病理学会報
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Fusarium oxysporum f. sp. cucumerinumのオレンジ色突然変異株の耐久生存と病原性
長尾 英幸平野 和弥
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1990 年 56 巻 2 号 p. 185-193

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抄録

紫外線照射によりFusarium oxysporum f. sp. cucumerinum (Foc)のコロニーがオレンジ色を呈する突然変異株を得た。この突然変異株(T107)とその単胞子分離によって得られた15株を土中での生存,病原性および他の形態的な特徴についてFocと比較検討した。その結果,T107とその分離菌株は,土中で厚膜胞子として耐久生存でき,キュウリ幼苗につる割病を発生させることができた。また,形態的な特徴に関しては,いずれも小型分生胞子をフィアライド上に形成し,PSA上での小型分生胞子数もFocとT107の分離15菌株間ではほとんど同じであった。FocとT107のコロニー生育に対する温度の影響はほぼ同じと考えられた。以上のことから,これらのオレンジ色突然変異株は,Focと同じような特徴と行動を示すことが明らかにされた。本菌は,Fusarium oxysporum f. sp. cucumerinumの生態学的研究に利用しうると考えられる。

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