日本植物病理学会報
Online ISSN : 1882-0484
Print ISSN : 0031-9473
ISSN-L : 0031-9473
Pseudomonas cepaciaに対するモノクローナル抗体の作製
高橋 義行土屋 健一匠原 監一郎鈴井 孝仁
著者情報
ジャーナル フリー

1990 年 56 巻 2 号 p. 229-234

詳細
抄録

Pseudomonas cepacia (RB425)生菌(L)およびグルタルアルデヒド固定菌(F)で免疫したマウスから,常法によりハイブリドーマを作製し16株(L免疫由来),8株(F免疫由来)の抗体産生細胞を得た。このうち抗体価の高い3株ずつ6株の培養上清および腹水を採取して,LおよびFに対する反応特異性を検討した。6株中1株の抗体のみが寒天ゲル内拡散法において陽性反応を示し,この株を含む3株の抗体が凝集反応法において陽性であった。L免疫由来の3株の抗体のうち2株のそれは固定処理によって抗原性が消失するepitopesを認識しており,残りの1株とF免疫由来の1株の抗体は固定の影響を受けないepitopesを認識していた(間接ELISA法)。また,LおよびFの熱処理菌(HL, HF)に対する反応特異性から,3株の抗体はHLに対してより強く反応するheterospecific抗体であった。さらに間接ELISA法を用いて,P. cepacia 5菌株,Pseudomonas属6菌種および植物,土壌由来の他属8菌種に対する反応特異性を調べた結果,同種でも分離株によって違いがみられ,またウサギ抗血清では区別できない同属他種菌をも識別することが可能であった。これらモノクローナル抗体は,P. cepaciaの特異的検出および抗原解析に利用できるものと考えられる。

著者関連情報
© 日本植物病理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top