日本植物病理学会報
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キュウリモザイクウイルスY系統(CMV-Y)RNA1の全塩基配列ならびにCMV全ゲノムRNAの比較
片岡 二郎増田 税高浪 洋一
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1990 年 56 巻 4 号 p. 501-507

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抄録
CMV RNA1の完全鎖長に相補的なcDNAを作成しその全塩基配列を決定した。RNA1は3,361塩基よりなり分子量111,462のタンパク質をコードしていた。このタンパク質にはGXXGXGKTで示されるnucleotide binding siteとGDT motifに似た配列とが認められた。RNA1間の塩基配列の比較を行った結果,Y系統はFny系統と高い相同性(96.4%)を示し,Q系統とは低い相同性(76.1%)を示した。Y系統内の5'非翻訳領域を比較すると,RNA1はRNA2と部分的に相同性があったがRNA3とは相同性が認められなかった。3'末端非翻訳領域をFny, OおよびD系統と比較したところ各RNAについて95%以上の相同性があり,認められる塩基置換も一つのステムループに集中する傾向があった。
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