日本植物病理学会報
Online ISSN : 1882-0484
Print ISSN : 0031-9473
ISSN-L : 0031-9473
非病原性イネもみ枯細菌病菌によるイネ幼苗腐敗症の発病抑制効果
古屋 成人岡本 知子郡 裕一松山 宣明脇本 哲
著者情報
ジャーナル フリー

1991 年 57 巻 3 号 p. 371-376

詳細
抄録

非病原性のイネもみ枯細菌病菌株でイネ種子を処理することによりイネ幼苗腐敗症の発病が抑制された。この発病抑制効果は,供試した非病原性菌株と病原性菌株の組合せにより異なり,また非病原性菌株の細菌濃度が高いほど顕著であった。発病抑制効果は,イネもみ枯細菌病菌の生菌でのみ認められ,それ以外の菌,すなわち,Agrobacterium, Erwinia, Bacillus, Clavibacter等ではまったく認められなかった。供試した非病原性5菌株のうち,N7503は供試したすべての病原性菌株による発病を抑制し,その防除効果も高く,イネ幼苗腐敗症に対する生物的防除材としての利用の可能性が示唆された。

著者関連情報
© 日本植物病理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top