1991 年 57 巻 5 号 p. 724-728
トウカエデ(Acer buergerianum)の葉に斑点を生じる細菌病を見いだした。病徴は最初微小な水浸状斑として現れ,その後径1∼2mmの壊死斑となった。分離された病原細菌はグラム陰性の好気性桿菌で白色集落を形成し,極毛を有した。LOPAT試験はIaもしくはIb群に属し,接種試験によりトウカエデに原病徴を再現した。これらの性質は比較供試したPseudomonas syringae pv. acerisの基準菌株とよく一致していた。よって,本病原細菌をP. syringae pv. acerisと同定した。本病の病名をトウカエデ斑点細菌病としたい。