日本植物病理学会報
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Agrobacterium属細菌の菌体脂肪酸組成による類別
澤田 宏之瀧川 雄一家城 洋之
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1992 年 58 巻 1 号 p. 46-51

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抄録
来歴の異なる65菌株のAgrobacterium属細菌を供試し,全菌体の脂肪酸を抽出して種類と組成比をガスクロマトグラフィー(GLC)で調べた。ピークが検出できた12種類の脂肪酸のうち,12:0と14:0を除く10種類の脂肪酸の組成比を変数として主成分分析を行った。その結果,biovar 1, 2および3はそれぞれGroup I, IIおよびIIIに明瞭に類別されることから,脂肪酸組成に関してbiovarごとに均一性が高く,しかもbiovar間に顕著な差があることが明らかになった。biovar 1と3は主要な脂肪酸である16:1や18:1などの組成比と17:0 CYCLOの有無,またbiovar 2と前2者とは19:0 CYCLOなどの組成比と18:1 3OHと15:0 ISO 3OHの有無で明瞭に区別できた。一方,A. rubiの2株(IFO 13261および13260)とNCPPB 1650は,17:0 CYCLOが検出できる点を除けば種類および組成比ともbiovar 3と一致し,biovar 3と同じGroup IIIに含まれた。また,表現形質に関しては既知の分類群と一致しなかったキウイフルーツおよびサクラからの分離菌(K-Ag-3, 4およびCh-Ag-4, 5, 7, 8)は,脂肪酸組成につやてはbiovar 2と同様なパターンを示した。以上の結果,脂肪酸組成の分析はbiovarの迅速同定法として利用価値が高いことがわかった。
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