1992 年 58 巻 1 号 p. 91-94
Agrobacterium tumefaciens biovar 3の各血清群(A∼D)に対して作製した抗血清を,ELISAあるいはスライド凝集反応と組み合わせ,反応特異性について検討した。ELISAではbiovar 3の全菌株が陽性を示したが,検出限界は104∼105cfu/wellであった。スライド凝集反応の場合, biovar 3以外の菌株はまったく凝集を示さなかった。一方,biovar 3では血清群ごとに特異的な反応が認められた。すなわち,血清群A, B, CおよびDの各菌株は,同じ血清群の抗血清に対してのみ肉眼的に認められる凝集を示したことから,本法がbiovar 3の簡易同定や血清群の識別に利用できることが明らかになった。