日本植物病理学会報
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ブドウの根頭がんしゅ病に対する抵抗性判定法と品種抵抗性
家城 洋之澤田 宏之
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1992 年 58 巻 2 号 p. 195-199

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抄録

ブドウの根頭がんしゅ病に対する抵抗性を判定するための接種方法,抵抗性程度を分類するための判定基準および主要60品種の抵抗性程度の類別を行った。根頭がんしゅ病抵抗性程度を判定するための接種条件は,苗木の生育しつつある新梢先端部2∼3節間部の茎にAgrobacterium tumefaciens biovar 3の菌濃度約2×108cfu/mlを注射器(ディスポーザブルトッププラスチックシリンジ,針の直径0.45mm)で数ヵ所単針付傷接種を行う。これを23°Cに約30日間置いた後,がんしゅの直径(2r)を測定して,r2π値を算出する。その際,基準品種として選抜した抵抗性が強のデラウェア,中のローズ・ショーター,弱の巨峰にも同時に接種を行う。抵抗性判定基準は,基準品種の巨峰に形成されたがんしゅのr2π値の指数を100とした場合,各品種の指数が0∼20のものは抵抗性が強,21∼60は中,61以上は弱と判定する。この判定基準によって,ブドウ60品種の抵抗性を分類すると,強に属する11品種,中の30品種および弱の19品種の3グループに分けられた。その中で最もり病性であったのは甲州三尺であった。

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