1993 年 59 巻 2 号 p. 114-122
トマト,タバコ,ナス,ジャガイモなど9種の植物から分離した66の菌株Pseudomonas solanacearumを用いてバクテリオシン産生性とそれらに対する感受性を調べた。66菌株中33菌株がカサミノ酸-ペプトン-グルコース寒天培地中でバクテリオシンを生産したが,そのなかの20株のみが液体培地中でバクテリオシンを生産した。最も抗菌スペクトラムが広かったジャガイモ分離株であるPOPS 8409菌株が生産したバクテリオシンは,熱に対して感受性であり,トリプシンに対しては耐性であった。またこのバクテリオシンは遠心沈澱させることができ,電子顕微鏡下でファージ尾部状粒子として認められた。以上の結果によりこのバクテリオシンは沈降性で高分子量のグループであると考えられた。