1993 年 59 巻 4 号 p. 432-437
ダイズ退緑斑紋ウイルス(SoyCMV)の2本鎖DNAゲノムから,非翻訳領域に存在し, TATA配列の上流に2個のGTモチーフ,下流に4個のTMV-Ω様配列を有するPNCR,外被蛋白質遺伝子上流に存在し, 3個のΩ様配列を有するPIV, PIVの3'端側から2個のΩ様配列を削除したP ΔIV,の3種のプロモーター断片を調製し, GUS遺伝子に接続した後,タバコ葉肉プロトプラストにおける各プロモーターの発現活性を測定した。その結果, CaMV 35Sプロモーターに比べ,それぞれ, PNCRが5.4倍, PIVが1.1倍, PΔIVが0.3倍の活性を示し,プロモーターコア下流に存在するΩ様配列が, mRNAの先導配列に転写されることによって翻訳活性を促進している可能性が示唆された。