抄録
1) チューリツプ球根に寄生すると稱へらるるScl. bulborum (WAKK.) REHM.はチューリツプ球根には無關係と考へられる。
2) チューリツプ球根の重大病害菌の1つたるScl. tuliparum KLEB.はScl. Rolfsii SACC.のSynonymと見られる。
3) 菌核の藥劑試驗並に生活力に關する試驗は菌核を各特定條件においた後,菌核を切半したものをも考慮す可きである。
4) チューリツプ球根には少くとも8 StrainのScl. Rolfsii SACC.が寄生し得る。
5) チューリツプ球根を侵す白絹病菌はヒヤシンス,クローカス,シラー,グラジオラス,ダリア,カンナ,和蘭水仙,支那水仙,鐵砲百合の地下部に寄生力を有しなかつた。但しクローカス,シラー,ヒヤシンスの衰弱した状態の下では寄生する。