Pseudomonas, Xanthomonas, Erwinia, Agrodacterium, Clavibacter及びCurtobacteriumの合計189菌株を用いて銅耐性を調べた。硫酸銅1.25mM以上を含むBacto馬鈴薯・ブドウ糖寒天培地(Difco)よで増殖を示す細菌を銅耐性と判定した。この培地を用いた場合の硫酸銅の最小発育濃度(MIC)はカシトン・酵母エキス・グリセロールを用いた場合の1∼2倍,水溶液を用いた場合の約100倍高い数値を示した。銅耐性菌株は供試細菌から広く検出されたが,特にPseudomonas属細菌で多く,P. cepacia, P. gladioliなどrRNAII亜群の細菌はいずれも高い銅耐性を示した。銅耐性の程度は硫酸銅と銅水和剤の間で必ずしも相関性は認められず,また銅水和剤の間でも相違がみられた。P. cepacia, P. gladioli, P. syringae pv. actinidiae, A. radiobacter及びA. tumefaciensでは銅耐性菌株はすべてストレプトマイシンに対しても高い耐性を示した。A. tumefaciensでは生理型1の3菌株中3菌株,生理型2の8菌株中1菌株及び生理型未同定の2菌株中1菌株がそれぞれ銅耐性を示しな。A. radiobacterでも生理型1の1菌株が銅耐性を示したが,A. vitisの6菌株はいずれも感受性であった。