日本植物病理学会報
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サトウキビ白葉病ファイトプラズマの染色体外DNAの塩基配列解析
中島 一雄林 隆治
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1997 年 63 巻 1 号 p. 21-25

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抄録
タイ産サトウキビ白葉病(SCWL)ファイトプラズマのHindIII切断DNA断片S1 (約2.5kb)は, SCWLファイトプラズマの染色体外DNAに由来することが示唆されている。SlDNAの塩基配列を決定後,両末端近傍から外側に向けてプライマーを作成し, SCWLファイトプラズマ感染植物のDNAを鋳型にPCRを行った。増幅されたDNAの塩基配列を決定したところ, S1 DNAの両末端に存在するHindIII切断部位は同一であることが判明し,本ファイトプラズマの染色体外DNAは2645bpの環状DNAであること, GC含量は22.2%であることが明らかになった。このDNAに存在するORFの中で最長のものは1047bpにわたり,分子量41.5Kのタンパク質をコードしていると推定された。本タンパク質とGeminivirusのDNA複製に関与するタンパク質AL1との間に部分的な相同性がみられた。
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