日本植物病理学会報
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RT-PCRによるスモモ斑入果病の病原ホップ矮化ウイロイドplum系の高感度検出のための増幅用プライマーおよび簡易抽出
草野 成夫下村 克己
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1997 年 63 巻 2 号 p. 119-123

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抄録
RT-PCRによりスモモ斑入果病の病原Hop stunt viroid-plumを検出するための条件を検討した。最適プライマーは, 6種類のプライマーペアの内,相補的な合成オリゴヌクレオチド・プライマーとしてHSVc-(1): 5'-GGCTCCTTTCTCAGGTAAG-3'(領域61-79),相同的な合成オリゴヌクレオチド・プライマーとしてHSVs-(2): 5'-CCGGGGCAACTCTTCTCAGAATCCA-3'(領域80-104)であった。本法の検出感度は,罹病抽出試料の希釈限界から判断して,従来のポリアクリルアミドゲル電気泳動法(2次元電気泳動法またはリターンゲル電気泳動法)と比較し,約10,000倍と高かった。また,核酸抽出過程でCF-11セルロースカラムを使用することにより,増幅阻害物質を除去することができた。非フェノール性試薬のセパジーンRV-Rは,罹病スモモ樹の樹皮および根の場合十分なDNA断片が増幅されたが,葉では増幅がわずかであった。PCR産物(大石早生李およびソルダム)をダイレクトシークエンスしたところ,既報の山梨県で発生した斑入果症状を示す太陽から検出されたウイロイドの塩基配列と完全に一致した。
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