日本植物病理学会報
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各種イネ菌核病菌の全菌体脂肪酸分析による性状比較
松元 賢古屋 成人松山 宣明
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1997 年 63 巻 3 号 p. 149-154

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抄録

イネ紋枯病および紋枯類似症状を引き起こすRhizoctonia属4種38菌株に関し脂肪酸分析を行った。塩酸-メタノール法により全菌体脂肪酸メチルエステルを調製し,GLCにより分析した結果,各菌株について9種類の脂肪酸が同定された。中でも,ステアリン酸,パルミチン酸,オレイン酸およびリノール酸は全菌株で高い組成比を示した。菌体脂肪酸組成比に基づいて主成分分析によるRhizoctonia属菌種の相対的な位置関係を調べた結果,種内においてはそれぞれの菌株は近い位置関係にあったが,種間では離れた位置関係にあった。さらに,脂肪酸組成比の類似性に従い分類学的位置関係をクラスター分析で調べた結果,同一菌種の菌株からなる独立したクラスターを形成した。これらの分析結果は,脂肪酸組成比がRhizoctonia属菌種を特徴づける性質であることを示し,本属菌の類別・特定への脂肪酸分析利用の可能性が示唆された。

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