日本植物病理学会報
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フィリピンにおけるイネ紋枯病の被害度と初期感染源(被害藁中の菌糸体と菌核)との関係
小林 隆Twng Wah MEW羽柴 輝良
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1997 年 63 巻 4 号 p. 324-327

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抄録

フィリピンにおいて,イネ紋枯病に感染した被害藁が次の作期に初期感染源としてはたらくかどうかを検討するために,代かき後に浮上した被害藁を集め,これらの被害藁を紋枯病菌(Rhizoctonia solani Kühn AG-1 IA)菌核を含まない実験圃場に投入した。まず,被害藁からは紋枯病菌が分離されたので,被害藁中で菌糸体は次の作期まで生存していると考えられた。次に,実験圃場において被害藁を投入しなかった区では出穂1カ月後の発病株率が3.9%であったのに対して,被害藁を1区(35m2)あたり2kgまたは4kg投入した区ではそれぞれ11%, 18%であった。また,被害藁の感染能力を菌核のそれと比較したところ,前者の感染能力は後者の約3分の1程度であると推測された。これらの結果より,フィリピンでは被害藁中の菌糸体も初期感染源としてはたらいている可能性が示唆された。

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