日本植物病理学会報
Online ISSN : 1882-0484
Print ISSN : 0031-9473
ISSN-L : 0031-9473
サツマイモ斑紋モザイクポティウイルス強毒系統(SPFMV-S)のヘルパー成分-プロテアーゼ(HC-Pro)のアンチセンス遺伝子を発現するタバコの異なるポティウイルスに対する抵抗性
園田 昌司田中 功二加藤 久晴高野 純一西口 正通
著者情報
ジャーナル フリー

1998 年 64 巻 3 号 p. 183-186

詳細
抄録

ポティウイルスのHC-Proはアブラムシ伝搬に関わるヘルパー成分であり,自らのC末端をポリプロテインから切り放すプロテアーゼ活性をもち,ウイルスの遠距離移行,複製および病徴の発現にも関与している。このように様々な機能をもつHC-Proのウイルス抵抗性因子としての可能性を知る目的で,SPFMV-SのHC-Pro遺伝子のcDNAをアンチセンス方向にタバコに導入した。T1植物を用いたサザンおよびノーザンブロット解析により遺伝子の導入と発現が確認された8系統中,正常な形態と生育を示す2系統のT2植物を用いてウイルス抵抗性検定を行った。SPFMV-Sはタバコに感染しないので,同じポティウイルスに属すPVYを接種源として用いた。その結果,低い接種濃度では病徴の発現が遅延しウイルス抵抗性が認められた。

著者関連情報
© 日本植物病理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top