1999 年 65 巻 4 号 p. 465-469
レタス萎黄病ファイトプラズマから選抜した,萎縮症状を示さないファイトプラズマ(LY2)と萎縮症状を示すファイトプラズマ(LY1)の宿主範囲とそれぞれの株に感染したシュンギクでの組織変化を比較した。LY1に感染したシュンギク組織では篩部細胞の顕著な増生が観察されたが,LY2に感染したシュンギク組織の篩部では増生はみられなかった。電顕観察の結果,増生した篩部において,内部にファイトプラズマの認められる篩管が観察され,その篩管の数はLY1に感染したシュンギクにおいて著しく多かった。両株の宿主範囲には差異は認められなかった。以上の結果から,LY1とLY2は,病徴発現に関する性質が異なるものと考えられた。