日本植物病理学会報
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Burkholderia gladioli特にその病原性喪失株によるイネ苗立枯細菌病の発病抑制
宮川 久義
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2000 年 66 巻 3 号 p. 232-238

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抄録

イネ苗立枯細菌病菌を接種した籾をBurkholderia gladioli MAFF 301064の病原性喪失株(1064A株)の細菌懸濁液(1×108cfu/ml)中で15°C,6日間浸漬後,播種することにより本病の発生が顕著に抑制された.このような発病抑制効果は他の16菌株のB. gladioliでも認められたが,Acidovorax属,Pseudomonas属,Ralstonia属及びBurkholderia属(B. gladioliを除く)の30菌株の細菌では全く認められなかった.本菌株の浸漬処理により,播種後出芽処理中の,イネ出芽籾・幼苗におけるB. plantarii細菌数は無処理区の1/10∼1/100に抑制され,イネ出芽籾・幼苗及び土壌中におけるトロポロン蓄積量も抑制された.本菌株は供試した12菌株のB. plantarii全てに高い発病抑制効果を示し,自然発病条件に近い開花期接種籾を用いた試験でも同様に高い発病抑制効果を示した.本菌株は23種類の農作物に対して病原性を認めず,従って本菌株はイネ苗立枯細菌病の生物防除に用いる拮抗細菌として有望と考えられる.

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