心身医学
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産業人におけるメンタルヘルス促進の試みとその評価 : 集団自律訓練法を導入したストレスコーピングプログラム(産業衛生とストレス)(第36回日本心身医学会総会)
村上 正人桂 戴作佐々木 雄二笠井 仁小田 晋菊地 長徳河野 友信一ノ渡 尚道今井 保次飯田 進一郎国吉 空後藤 敕
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1996 年 36 巻 2 号 p. 161-167

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抄録
11企業体の3,700人以上の従業員に対して系統的なストレスコーピングプログラムを実施, 健康増進のための講義やストレスコーピング技法としての自律訓練法(AT)を導入して・3ヵ月のプログラムの前後の健康増進効果をJMI健康調査表(JapaneseMental Health Inventory)と血液による生理学的指標で評価する臨床研究を行った。本研究では, その中の155例のAT実施群と43例の対照群(非実施群)の比較検討を行い報告する。両群ともに症状の訴え, 疾病頻度, 各臓器の症状などが減少, 身体・精神的健康度, 環境適応などが向上する傾向がみられたが, AT群ではより多くの心理的指標の改善がみられ, 臨床検査値の前後比較で血清コルチゾール, 免疫学的指標, 動脈硬化指数などに変化が認められた。これらの知見はATを中心としたストレスコーピングプログラムが内分泌, 免疫などの生理学的変化も介して心身の健康度増進に有効に作用したことを示唆し, 系統的なストレス対処が産業衛生を考える上で重要であると思われた。
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© 1996 一般社団法人 日本心身医学会
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