2005 年 45 巻 11 号 p. 849-854
生活習慣病に罹患しやすい危険因子としてのパーソナリティ傾向を測定するShort Interpersonal Reactions Inventory (SIRI)の日本語短縮版を用い, 識別される4つのパーソナリティ傾向と, 生活習慣や食行動とどのような関連性をもっているか, さらにそれが, 生理指標にどのような影響を及ぼすかを検討した.仙台市内にある総合病院職員650人のうち, インフォームド・コンセントを得られた485人を対象に「生活習慣と生活意識に関する調査」の質問紙調査を行った.この調査は病院倫理委員会の承認を受けて行われた.4つのパーソナリティ傾向と, 生活習慣, 食行動との関連性について最終目的変数を生理学的指標としてパス解析を行った.その結果, パーソナリティ傾向と生理学的指標との関連では, タイプ2傾向では, コレステロール値が高いことが示された.今回の研究では, パーソナリティ傾向と生活習慣, 生理学的指標の関連性が示唆された.今後さらに対象を広げ同様の結果が得られるか検討する必要がある.